アメリカ主導で世界経済は回復へ向かうのか?

【好調なアメリカ経済】

昨年トランプ大統領の誕生を機に、アメリカの株式市場は上昇に転じました。ダウ平均株価は2万円へ乗せ、ナスダック、S&Pの主要指数も史上最高値を更新しています。

1つにはトランプ大統領の政策への期待があります。減税・インフラ投資・規制の緩和などでアメリカ経済を後押しするのではないかと期待されています。もう一つはトランプ大統領の誕生に関係なく既にアメリカの経済指標が良好だと言う、現実があります。

毎月発表される雇用統計は安定しており、その他の景気をあらわす指標もアメリカ経済の好調さを裏付けています。リーマンショック以降何だかんだ言いながら、中国は世界経済を下支えしてくれました。その中国の経済が陰りを見せて、世界経済に暗雲が立ち込めていましたが、アメリカが復活して世界経済をけん引してくれる構図が浮かんできました。

【世界経済回復の兆し】

原油価格が上昇に転じています。2016年には30ドル割れで低迷した原油価格が50ドル台を回復して来ました。OPECが減産に合意したり、世界経済の回復基調で需要が見込まれたりと市場環境が好転して来ました。更に亜鉛・石炭・鉄鉱石など他の資源価格も、中国経済の低迷などで下落が続きてきましたが、回復してきています。

原油などの資源価格の上昇は、物価の押し上げなどマイナス面もありますが、安すぎるところからの上昇は経済にプラスに働きます。

資源価格の上昇などで資金を得たファンドは、株式に投資するなどお金が回り始めます。原油価格が上がれば中東やロシアなどの産油国は、自国にお金が入ってきます。サウジアラビアは原油下落で相当経済が痛めつけられ、株式などの換金売りで凌いだという話もあります。日本などは株式の流動性が高いし、真っ先に売られる危険もあります。ロシアも欧米の経済制裁で苦しい中、原油価格をはじめとした資源価格の回復は歓迎するところです。著名投資家のジム・ロジャース氏はこれからの有望な投資先としてロシアを上げています。

打撃を受けて来た新興国経済がアメリカ経済の回復と、資源価格の回復で息を吹き返そうとしています。アメリカの景気回復が世界経済を牽引する構図が出来つつあります。

リスクとしてはトランプ大統領の強権的な政治手法、ヨーロッパの政治リスクが上げられます。トランプ大統領が敵を作り、議会や国民と戦ってばかりいては政治はうまく進みません。トランプ大統領のような保護主義的な考えの指導者が、今年大きな選挙のあるフランスやドイツで出てくると自由貿易に対する懸念が顕在化して、株価暴落世界経済はショックを受けるという怖い場面も無いことではありません。